二年ぶりのOutlook研修に行ってきました。今年はサウンドシステム的にも大きな変動があり、毎回ながら非常に意義ある研修となりました。まずは、メインステージ的なポジションであるThe Clearing、ここは例年Martin AudioのラインアレイMLAが使用されていましたが、今年はクロアチアのPA会社に変更されd&bの最新ラインアレイGSLが起用されていました。8000人規模のエリアで8本対向、今世界中のBIGフェスで起用されていますがさすがの鳴りを体感しました。そしてその次に大きなステージに昇格したThe GardenではDanley UKを務めるNeuron ProによるDanleyのシステムがインストールされていました。主にドラムンベースがプレイされるこのステージでポイントソースの雄としての存在感とクオリティをみせていました。特にサブは特筆すべきサウンドだったと思います。続いてThe VOIDは例年通りのVoidインキュバスを中心にNexusサブのセンタークラスター、今年からArc ArrayはArcline8に変更されていました。安定の中の安定ぶりは例年通りで、ここはどのジャンルでもお客さんが入ります。The Stablesは今年はALIJAのシステムが。クロアチアといえばHogなどの有名スピーカーデザイナーStipe Ercegovicさん。そう、このステージのスピーカーは全て彼の設計らしいです。このあたりもサウンドシステムカルチャーを牽引するフェスというコンセプトをひしひしと感じることができます。今年のOutlookの話題のひとつはMungo’s HiFiのサウンドシステムからSinai Sound Systemへの変更でしたが、これについてはsns上でも様々意見がありました。Sinaiも頑張っていましたが個人的にはMungo’sの凄さが再確認できた印象がありました。特に様々なジャンルに対応する点ではあらためてMungo'sは群を抜いていると思います。集客面でもそのあたりの評価は垣間見えたように思います。このフェスのオーディエンスは本当に音にシビアなんです。The BeachもDub SmugglersからVoidのArcline8とStasys Xairに変更されていました。我々のアパートメントからもVoidのベースが聞こえるほどのパワーは圧巻でした。BALLROOMとThe Court yardはVoidのシステムでしたが、Stasys8とStasysX V1というVoid初期のサブが起用さていました。これについてNeuron ProのKyle氏曰く「文化としてこういった古い機材を組み合わせて使うこともこのフェスらしくて意味あるだろう?わざとやっているんだ」とのことでした。DIYのシステムが減っていたのは少し残念でしたが、真意のほどは不明ですが欧州サウンドマン達にも年齢的な部分やこの過酷な環境でDIYのシステムを維持していくことの難しさもあるのかな、と感じる部分はありました。とにかく今年もOutlook festivalはサウンドマンを刺激するフェスでした。
Date : 2018.10.06